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取材の足跡

摩周湖の伏流水を源流とする「西別川」を特集しようと考えた僕に、 テディさんが、どうしても皆さんに伝えて欲しいと、提案してくれたのが、この特集 のコンテンツの ひとつ「西別川の水」です。(僕は最初、西別川の水が流域でどう 活用され、産業に役立っているかを紹介するのかな、と考えていました。たとえば、 飲料水や日本酒として販売されているとか、温泉もありますといったガイド的なもの です。)

空港で出迎えてくれたテディさんが、まず案内してくれたのは、西別川上流域でし た。キタキツネや鹿が遊びに来るという牧場、子ども達と校長先生が楽しそうににお 話していた虹別小学校。そのキャリアにテディさんも一目置くフィッシャーマンのお 宅。二次林の美しい虹別キャンプ場。アイディア力、実践力で自然保護活動を流域に 広げている方にもお目にかかりました。
地平線まで続く緑の草地に、点々とタンポポの黄色が風にそよぐ景色に心奪われてい る僕に、「北海道の人は、お客さんの姿が見えなくなるまで いつまでも手を振って 見送るんですよ」と、運転しているテディさんが説明してくれました。 翌日は、西別川源流から、河口までを走り、海から西別川を考えている別海漁業協同組合の方 からお話を伺うこともできまし た。
西別川は、思った以上に蛇行している川でした。源流の水の冷たさや、バイカモのニ ンフのような美しさに惹きつけられました。何かわかりませんが、日差しの中で、ま わり中にほわほわと舞っている綿毛がとても幻想的でした。そして、下るにつれ西別川が、人々に多くを与えている川であること、そして与えるゆえに傷ついてゆく姿を 目の当たりにすることになりました。
テディさんがコーディネイトしてくれた時間の 中で、ようやく彼の伝えたかったことが僕の中に流れ始めました。 豊かに持つ者ほど、その豊かさに無頓着になりがちです。でも、自然は無尽蔵ではな い。この豊かさを使い果たしては、自分達も生きることができないと気付いた流域全 体が、「人が自然と共に生きる道」を探し、動き始めていました。西別川は、産業だ けでなく、みんなの心を潤すかけがえのない川でもあるのですから。
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