奥津軽の自慢

アシガヤ

川とアシガヤ下流域に至り、大河の様相を帯びる岩木川には工場の姿ひとつ無く、上流にある弘前、五所川原周辺よりも川の原始風景が残されている。川岸まで耕されている部分があるのは、河川管理が行き届いた今日では珍しい。江戸時代の風景を見ているかのような錯覚に捕われるのも、河川敷一帯をアシガヤが覆っているからか。

このアシガヤが天然ろ過器となって、川の水を浄化し、河口十三湖の水質を守っていることから、五所川原周辺には、アシガヤを保護するため浸透性護岸が施されているという。又、この付近一帯は、世界でも2000羽ほどしか生息していないといわれる幻の鳥オオセッカはじめ、コジュリンなどの生態に適した営巣地でもある。

刈り取りアシガヤはイネ科の植物でヨシに同じ。カヤ(茅)というのは、植物分類学上の名称ではなく、屋根を葺くのに用いられる草本の総称。津軽のアシガヤは全国的にも良質なことで知られ、流域では、稲作に次ぐ収入源であった。そのため刈取権をめぐって紛争が起こり、機動隊の出動で流血の惨事を免れたこともあったという。

家の入り口に立てかけて吹雪や陽射しを防ぐ「かけむしろ」としても重宝がられていたが、今では茅葺屋根の需要も頭打ち。むしろ周辺農地を荒廃させる要因ともなってきたことから、地元中里町の「カヤ未来の会」では、余ったアシガヤの有効利用に取り組んでいる。アシガヤを使った魚の干物製造用「むしろ」の製品化、りんご農家の授粉作業にかかせないマメコバチ(訪花昆虫)に最適な巣箱の作成・販売など、活動が地域おこしにつながりつつある。

「カヤ未来の会」(竹谷久雄会長) 連絡先:北津軽郡中里町 tel:0173-57-4607 
茅葺き屋根の家「茅舎」

写真提供先:国土交通 省青森工事事務所

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