奥津軽を食べる



「津軽の母」と呼ばれる岩木川は、流域の食の恵みの原点。源流白神山地のブナ樹林の土とコケに浄化された水が、人々の営みの中を流れる。
上流域では、今でも、清 流にしか生息しないカジカがどっさり捕れ、中・上流域にはリンゴ畑、下流域には、 年間20万トンの米を生産する「日本の米倉」が広がっている。

津軽リンゴの味わい
ジューシーな津軽りんごを食べる、ということは岩木川の水を味わうということ。
リンゴ  

「津軽りんご」


訪花昆虫(マメコバチ)をつかった受精作業、「実すぐり」といわれる摘果 、袋かけなど、津軽のりんごは愛しまれて育ちます。

流域では、消費者のニーズや多様化に合わせて、無農薬りんごの栽培はもちろんのこと、ジュース、ジャム、ワイン、パイなどの新商品を生み出しています。地域のお土産店にもたくさん並んでいます。

[ジュースの活用法]
炊き込みご飯・豚・鶏などの煮込み料理や、パン生地に水代わりに使うなど、工夫次第で思いがけないおいしい料理を楽しめますよ。

[ご存じですか?]
帝国ホテルのアップルパイには昔から津軽の紅玉が使われ、長年の顧客から愛されています。

「赤〜いりんご」は中まで真っ赤

赤い花五所川原には、世界的にも珍しい、葉・花・幹・果 肉まで真っ赤な「赤〜いりんご」の樹が約200本並び、全長1100mの「赤〜いりんご並木道」として親しまれています。

写真:「赤〜いりんご」の赤〜い花


日本最古のりんごの樹

柏村には県天然記念物である日本最古の「りんごの樹」があります。
樹齢は、平成14年で124年。明治11年、栽培されたものでそのうち3本だけが風雪に耐え、 美しくも力強く枝葉を張っています。最も大きい樹は高さ6,85m、太さ3,40mもあり、 現在でも約7200個の実をつける現役です。老木

[一日一個のりんごで医者要らず]

ウェールズ出身で日本在住の作家CW.二コルさんも、祖母の教えを守っ て毎日食べているとか。実際、余分な塩分を排出するカリウムや、解毒、整腸作用のあるペクチンの豊富なリンゴの効用は、世界中の認めるところです。

 

 

 


十三湖のしじみ

岩木川の水と日本海の海水が混じりあった、河口部「十三湖」はヤマトシジミの名産地。


「ヤマトシジミ 」

シジミ全国的には、干拓や水質汚染などにより激減しているシジミの収穫量 。しかし、現在のところ、十三湖では、休漁場を設ける程度の対応で、「畑から収穫する」と言っていいほどの収穫があります。これは、岩木川下流域に自生しているアシガヤ(葦ヨシ)が、自然の 力で水をろ過し、水質を浄化しているからだといわれます。

夏休み頃は身入りのいいシジミが多く、一般 の人でもシジミ獲りを楽しめます。

 

「シジミエキス」

必須アノミ酸が豊富に含まれ、肝臓病に効くといわれていることか ら、市浦村の商工会が開発した「シジミエキス」は、飲めば「チャンポンしても二日 酔い知らず」と、地元では大評判。ほんとうは滋養強壮のため売り出されたはずなのですが・・・。

シジミエキス問い合わせ
株式会社トーサム(市浦村第三セクター)
道の駅 十三湖高原 トーサムグリーンパーク  ・・シジミの効用やレシペも

「シジミ汁」

コブだしを煮立てたところに、シジミを入れて塩、酒で調味。隠し味に味噌少々が ご当地風の作り方。 素朴で こころがため息をつく温かい味。シジミラーメンは今やご当地名物となっています。

シジミ汁・シジミラーメンは十三湖湖畔の茶店で。

 

 

海の幸


森の恵みは川によって、海へと運ばれます。縄文の昔から、人々に生活の糧をあたえ てくれてきたのは、川と海です。青森市で発掘された、日本最大級の縄文遺跡「三内 丸山」の認知を機に、岩木川がそそぐ河口から日本海沿岸でも、木造町「亀ヶ岡遺跡」はじめ、多くの縄文文化遺跡にも光があたるようになりました。いにしえの営み を支え、5000年を経た今でも、人々に自然の恵みをもたらしているのは、豊穣の海。 岩木川河口の浜は、冬場に波の花が咲きます。

かき
海藻でカモフラージュしている岩牡蠣
何かに追われたのか、イワシの大群が 磯に押し寄せた日は、岩場にはピチピチと銀鱗がきらめき、笊ですくってもすくって も尽きない収穫があります。

河口の市浦の浜のもてなしは、目の前の海でその朝潜って採った手の平ほどもあるような大きな岩牡蠣と芽カブ。

岩牡蠣の仲間でしょうか、地元でフランス牡蠣と呼ばれるものはが味が濃いと珍重されています。口に含めばねっとりと媚び、海の香りが広がってのどを滑り落ちていく。太古の人が味わったのと同じ、自然そのままの滋味、豊かさです。

山の幸

ミズ津軽人に「津軽の食といったら?」と問えば、だれもがこれをあげる山菜。山々が 新緑につつまれるころ、山沿いの湿地や沢、湖の水辺などに、株立ちで群生しています。葉を取って売られている姿は、細い蕗にも似ていますが、 アクもクセもなく、料理は万能型、味わいは万人向きです。

煮物や油炒め、おひたし、 和え物などにと、好んで食べ継がれてきた味。春から霜のおりる頃まで、いつでも食べらるが、5月から6月ぐらいが柔らかい。 6月以降になると根が赤く太くなるが、茎の部分と一緒にすりつぶしたものは納豆のように粘りが出、これををミズトロと呼び、麦飯やアワ、ヒエ、ソバなどと一緒に食べたり、 酒のつまみにと活躍します。

夏の終わりに付く実(玉)を味噌やしょうゆ漬にした ものは珍味。 イラクサ科ウワバミソウ属というだけあって、「ヘビのように強い消化力をもつ」と 山野を駆け巡るマタギたちにも尊ばれていたとか。その力は特に根茎にあるといわ れ、生のまま塩漬けにして保存すれば、一年中楽しむことができます。

水ホヤとミズの和え物代表的な料理法

・一本漬け(塩漬け)

・ひとつまみの塩を入れた熱湯でさっとゆで、水ホヤの添え物、おひたし、各種あえもの、卵とじ、汁の実など
に。

・生のまま皮をむいてたたき、粘りが出たところで醤油や酢で調味して、酒のつまみ、
ご飯のおかずに。

里の味

ほしもち昔なつかしい、ノスタルジーあふれた奥津軽の保存食。胡桃や胡麻を入れて ついた餅を2cmほどの厚さの短冊切りにして、1月から2月の寒の厳しい季節に戸 外で乾燥させて作ります。雪国ならではの生活の知恵が生み出した、今でいうフリー ズドライのお餅です。

400年ほど前、戦の兵糧食としても活躍したといわれ、マ タギが山に入る時は、水とこれさえあれば生きられると携えた非常食でもあります。 ちょっとびっくりするような緑やピンクの色付けがされていますが、これは、かつて お菓子がなかなか食べられない人々の心を満足させるための工夫の一つだったとか。 決して美味しいとは言えないけれど、素朴な自然の恵みの味です。

このまま食べた り、油であげたり。おやつに、バターで焼いて食べるのが一番好きという人もいます。

●写 真提供青森県「宿とラーメン、季節の写 真」ホームページ

 

 
   

                                   


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