| 沖縄で、川の誕生を描いた昔話を見つけました。小さなかわいいストーリーに、生活にもっと密接だっただろう昔の川の姿が想像され、同時に沖縄人のユーモラスで温かいこころが伝わってきました。
さて、むかしもむかし、ずーっと大昔のことです。太陽と月は、天の神様と一緒にすんでいました。
天の神様は、太陽と月をとても可愛がり、いつも二人を天びん棒で担いでとことこと嬉しそうに野山をあるいていたそうです。
ある日のこと、天の神様はにこにこしながら太陽と月に聞きました。
「お前達、どこか行きたいところはあるかね?どこへでも連れて行ってあげるよ」
「神さま、東にある山のずーっと向こうへ行ってみたいです」
太陽はきっぱりと答えました。 「私は、西にある海のずーっと向こうへ行ってみたいです」
月は、うっとりとした顔で答えました。 その答えを聞いて、天の神様は困りました。
いっぺんに東と西へ行くなんて、いくら神さまでもできません。
「こりゃぁ、困ったわい。太陽は東の山のずっと向こう、月は西の海のずっと向こうへ行きたいというのかね?」
天びんに乗った太陽と月は、大きな声で「はいっ!」と答えました。
二人があまりにも大きな声で返事をしたものですから、びっくりした天の神様は思わずよろけて、そのはずみで天びん棒が二つに折れてしまいました。それだけではありません。ひゅーんと言う音がして
太陽と月は東と西の彼方へと飛ばされてしまったのです。 あっと言う間の出来事でした。
天の神様は太陽と月のことを思ってさめざめと泣きました。
「太陽はひとりぼっちで寂しかろう。月も一人ぼっちで寂しかろう」
こうして天の神様は、何日も何日も涙をこぼし続けました。とめどなく流れ落ちた涙。それが沖縄の川となりました。
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