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水は命

沖縄は高温多湿、台風と干ばつに悩まされる風土だ。干ばつが続けば、干上がってしまう地下水も多い。古来、人々は智恵をしぼって水を得、ゆえに、天と地下からの水、流れる川に敬虔に触れ、川や井戸泉、樋川、雨水(天水)との営みを通
して、 独自な水への信仰、祭りごとなどをつちかってきたといわれる。
北水南送

現在本島では、北部にあるダムや川などから取水された水が、水道用水として、全人口の90%が集中する中南部に送られている。ひとつの川の源流が水源となって流域を潤すのではなく、北部の山原(やんばる)の森林を「水がめ」とし、水源部以外の、市町村に水が送られているわけだ。いまや、「やんばるの水」といえば水道水のこと。日本百名泉「垣花ヒージャー」はじめ、井戸泉や樋川が豊富に涌き出る玉
城村でも、水道水が主役だ。沖縄県企業局による送水は、水管やトンネルなどを利用して行われるが、沖縄は南北に長く、水源と消費地が遠く離れているため、増圧ポンプ場や調整池などの施設が数多く建設されている。
まるで、見えない川につながれた、ひとつの大きな流域が沖縄本島にあるかのようだ。

<水源別取水量> ダム水(65.8%)
河川の水(22.1%) 地下水(10.6%) 海水淡水化水(1.5%)
●沖縄県企業局
●沖縄県企業局 おきなわの水
子供向け沖縄の水道について紹介しています。
「水なし県」からの脱却

沖縄県の水道普及率は99.9%で、全国第二位。しかし、現在のように安定した水供給が実現するまでには、厳しく険しい道のりがあった。長期断水に耐えかね、他県から舟で水を運んだ昭和38年の大干ばつ。昭和時代末の全国最長326日間の給水制限などの経験から、自衛として、家の屋根には水タンクを付けるのが常識となった。平成元年を最後に、給水制限は行われていないが、これも昭和47年の本土復帰以降、北部ダム事務所が推進した水資源開発事業の成果
の現われだ。
治水・利水事業の恩恵

沖縄県の年間降雨量は、全国平均の約1.3倍だが、降った雨は地面に吸収され、あるいはすぐさま海へと流れ去る。しかも人口密度が本土の3倍近くもあるため、年間の一人当たりの降雨量
は、平均の6割に過ぎない。気候的にも不安定な水事情は、これまでの北部5つの国ダム建設はじめ、河川からの取水、海水淡水化施設設置などでようやく安定してきたわけで、今後の近自然型河川工法導入による水づくり、環境づくりに期待がかかる。一方、台風や梅雨時の豪雨、
河川の地形的特徴から、土砂崩れ、増水・浸水被害を受けやすく、治水面
からもダムの役割は大きい。

●ダム管理情報
沖縄総合事務局
北部ダム統合管理事務所
●工事中・計画中のダム情報
内閣府沖縄総合事務局 北部ダム事務所
開発の光と影

この40年余りで2.5倍に増えた人口、産業の発展、リゾート開発、生活変化などによる水需要増大。加えて中南部の水環境の汚染が進む中、今後の水の確保は大きな課題といえる。開発が中南部に恵みをもたらす一方、森や川・海の自然破壊が進んでいるのも現状だ。沖縄から自然という
財産を取ってしまったら、観光地としての魅力も、あの闊達で情に厚い「うちなーんちゅ」気質も薄れてしまうだろう。北も南もない。島はひとつで、大きな運命共同体なのではあるまいか。川をたどりながら、流域の自然と人々の声から学び、共に考えてみたい。

「うちなーんちゅ」とは沖縄の人が自分達を指して呼ぶ言葉。沖縄人

●雨水利用 多様な水源の活用こそ 沖縄タイムス社説 2002.3.15
参考文献: 平成13年度沖縄企業局概要「沖縄の水」
「おきなわの川」 幸地良仁 むぎ社
「川は訴える」 寺田麗子 (有)ボーダーイング
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